2021年10月4日にノーベル賞の生理学・医学賞部門の発表があります。2021年も日本人の受賞が期待されていますが、今回日本人が受賞したとなるとそれは、2018年の本庶佑さん以来の快挙になり実に3年振りとなります。
今回は2021年ノーベル生理学・医学賞の受賞の期待が名高い「岸本忠三(きしもとただみつ)」さん(平野俊夫さんとの共同研究)の経歴や学歴(出身高校・大学)や、その研究内容について紹介をしていきます。研究成果のアクテムラは、なんと新型コロナウィルスの治療薬をしても活躍していたのです。
2021年ノーベル賞候補:岸本忠三さんのプロフィールと経歴・学歴
まずは岸本忠三さんのプロフィール情報からまとめていきます。
【ニュース】 岸本忠三 教授が Tang Prize(唐奨)を受賞 https://t.co/5SSaE6GKfA pic.twitter.com/wTQjXDNJcj
— 大阪大学 (@osaka_univ) June 19, 2020
岸本忠三さんのプロフィール情報
名前 | 岸本忠三 |
よみ | きしもと ただみつ |
生年月日 | 1939年5月7日 |
年齢 | 82歳 |
出身 | 大阪府富田林市 |
高校 | 大阪府立富田林高等学校 |
大学 | 大阪大学医学部 |
研究分野 | 生物学 |
現在職 | 大阪大学名誉教授 |
岸本忠三さんは1939年5月7日に、大阪府富田林市で生まれました。2021年現在の年齢は82歳です。現在の大阪大学の名誉教授として生物学の研究に勤しんでいます。出身高校は大阪府立富田林高等学校、大学は大阪大学医学部を卒業しています。
岸本忠三さんの出身であるそれぞれの大学の2021年度版最新情報を調査してみました。
岸本忠三さんの出身高校:大阪府立富田林高等学校
岸本忠三さんが実際に卒業された「大阪府立富田林高等学校」について詳しくみていきましょう。
岸本忠三氏の出身高校の情報
高校名 | 大阪府立富田林高等学校 |
住所 | 大阪府富田林市谷川町4-30 |
電話 | 0721-23-2281 |
設立 | 1901年 |
公私 | 公立 |
偏差値 | 64 |
地図:Goole MAP
岸本忠三さんが卒業された「大阪府立富田林高等学校」は偏差値が64の公立高校です。もちろん頭よい高校ではありますが、大阪府内では60位程度の高校です。ノーベル賞をとる科学者には少し物足りないのかなって気はしなくはないですがね。笑 ちなみに大阪で一番偏差値の高い公立高校は北野高校で偏差値が76です。私立では大阪星光学院高等学校で、偏差値は同じく76です。
岸本忠三さんの出身大学:大阪大学医学部
次に、岸本忠三さんが卒業された「大阪大学医学部」について詳しくみていきましょう。
岸本忠三さんの出身大学の情報
大学名 | 大阪大学 |
学部 | 医学部 |
住所 | 大阪府吹田市山田丘1-1 |
電話 | 06-6877-5111 |
偏差値 | 70(医学科) |
地図:Goole MAP
地元大阪の大阪大学医学部を卒業している岸本忠三さんです。岸本さんが専攻していたと思われる医学科の偏差値は70です。医学部卒業後は医学院生として博士課程も修了します。
岸本忠三さんの学歴と経歴
それではここで岸本忠三さんの学歴と経歴をまとめたものをご紹介します。
岸本忠三さんの学歴と経歴一覧
1958年 大阪府立富田林高等学校卒業
1964年 大阪大学医学部卒業
1969年 大阪大学大学院医学研究科内科系専攻博士課程修了医学博士(論文は「免疫性グロブリンMの構造」)
1970年 ジョンズ・ホプキンス大学研究員、客員助教授
1974年 大阪大学医学部助手
1979年 大阪大学医学部教授
1983年 大阪大学細胞工学センター教授
1991年 大阪大学医学部第三内科教授
1997年 大阪大学総長(第14代)
2003年 大阪大学大学院生命機能研究科教授
2004年 総合科学技術会議常勤議員
2016年 大阪大字免疫字フロンティア研究センター 免疫グループ 免疫機能統御学 主任研究者
基本的には大阪大学に長く在籍をして研究活動を続けていることが分かります。ただ博士課程を修了ごは、米国ジョンズ・ホプキンス大学へ4年間留学していました。そして現在もなお「大阪大字免疫字フロンティア研究センター」にて研究を行っています。
2021年ノーベル賞候補:岸本忠三/平野俊夫の研究の鍵「アクテムラ」とは?
そもそも岸本忠三さん、平野俊夫さん両名の研究とはいったいどのようなものだったのでしょうか。その鍵を握るのが「アクテムラ」という言葉です。このアクテムラとは、大阪大学の研究グループと中外製薬が共同で開発した、日本発の関節リウマチの治療薬なのです。
1986年に、岸本忠三さん、平野俊夫さん両名の研究グループは、炎症反応と深く関わる「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質の一種「インターロイキン6(IL-6)」を発見します。このIL-6の働きを抑える治療薬として開発されたのが「アクテムラ」というわけです。
アクテムラと新型コロナの関連性
アクテムラは確かに関節リウマチの治療薬なのですが、実はなんと新型コロナの治療薬としても使われるようになったのです!「なせ?」と思うでしょう。最初に中国湖北省の武漢で感染が拡大した時、その重症患者からは血中のIL-6の濃度が上がっているという論文がでました。そしてその患者に対してアクテムラを投与すると、症状がほぼ改善したのです。またこのアクテムラは、がん治療法の一つのCAR-T細胞療法で副作用の「サイトカインストーム」を抑える薬としても使われています。
この内容は米科学誌サイエンスに「アクテムラは関節炎(関節リウマチ)の治療薬として開発されたが、がん治療で生じるサイトカインストームにも有効である。そして、新型コロナでもサイトカインストームが起こるので、応用されていくだろう」と掲載されるに至ったのです。
このような形でニュースにも取り上げられました。
コロナ重篤患者に日本で開発の薬投与で死亡率減 英で研究成果 | NHKニュース
「アクテムラ」は、大阪大学の岸本忠三特任教授らのグループと中外製薬が開発した関節リウマチの薬で、免疫が暴走して自分の細胞を攻撃してしまう「サイトカインストーム」という現象を抑える効果があると pic.twitter.com/c2nu6QbaGH— H I M E L (@himelwind) January 10, 2021
この医学面からみた功績が、今回のノーベル生理学・医学賞の有力候補に繋がっているというわけです。岸本忠三さんは、82歳を迎えた今でもなお現役を続ける一人の研究者です。これからも更に大きな研究成果を残してくれるでしょう。
まとめ
今回は2021年のノーベル賞候補(生理学・医学賞)の岸本忠三さんについて、そのプロフィール内容から、出身高校・大学の学歴から、卒業後の経歴に至るまで記事にしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
彼らの開発した「アクテムラ」は今の時代に非常に有効な薬であると判断され、世に広まっています。これからの医学に発展に大きく貢献した研究成果であるといえるでしょう。