今回は審査の『返済比率』についてお話します。
住宅ローンを組む上で、ここが最も重要な部分になります!
この返済比率の計算こそが、審査を受ける上での第一関門となるのです。
返済比率とは一体なんだろう?
『返済比率』とは、簡単に言えば「収入に対する、ローンの支払の割合はどのくらいになるか」ということです。
収入のほとんどがローンに消えてしまっているようでは、新しくローンを組むのは現実的ではありません。
そこの基準値を定める計算になります。
返済比率の計算方法
それは以下の数式により導かれます。
このように、収入が年末度の源泉徴収表(自営業の方は確定申告書)で計算をするので、ローンの支払いも必然的に年間の支払い額で考えます。
関連記事:【住宅ローン審査での失敗例②】会社員と自営業の審査の違いとは!
ちなみにこの「ローンの支払い」とは、現在ショッピング等で組んでいるローンの他に、「審査が通った後で支払うであろう住宅ローンの金額」も含みます。
審査が通り、実際に支払いが始まったあとに「安定して支払いが本当にできるのか」という部分を算出するのです。
返済比率の計算例①
「年収400万の人が、リフォームローンで月2万(ボーナス払い無し)を支払っています。住宅ローンのを組んだ後月8万円の支払いが発生します。」
にて計算されるので、返済比率は『30%』であると計算されます。
返済比率の計算例②
「年収520万の人が、車のローンで月4万(夏・冬ボーナス払い15万/月)を支払っています。住宅ローンのを組んだ後月12万円の支払いが発生します。」
この場合ボーナス払いの30万/年も、もちろん計算に含めます。
にて計算されるので、返済比率は『42.6%』であると計算されます。
返済比率の分岐点
この「返済比率」の計算で、まず審査の土台にのるかどうか判断されるわけですが、では一体何%までであれば銀行はOKを出すのでしょうか。
その数字はズバリ ・・ 『40%』
どこの銀行でもひとつの基準値としてこの数字を捉えているので、これを上回ると、審査を通過することが非常に難しくなってきます。
ただ、絶対!という数字ではありません。
確かにこれを厳密に審査基準にしている銀行も多いですが、中には「42%」までであれば交渉次第で審査に通してくれる銀行もあったりします。
私の知る限り、それはある程度の交渉の幅を持った地方銀行になりますがね。
逆に某都市銀行の場合ですと、会社員の方は「40%」基準ですが、自営業の方は条件が厳しくなり「35%」までと定めているところもあります。
このように銀行によって若干の触れ幅があることを覚えて置いてください。
ただし、この計算は自分でも簡単に計算ができるので、審査にかける前の目安として必ず算出しておきようにしましょう。
返済比率を計算する上での注意点
計算をする上で、気をつけて頂きたいのが「現在組んでいるローン」の部分です。
一体どこまでの支払いを審査対象をみなされてしまうのでしょうか。
その他ローンの対象となるもの
これは現在分割で支払っているものすべてが対象となります。
先ほどの例のような、車のローンやリフォームローン、その他お子様の教育ローンや大きい家電を購入した際の分割払い、カードキャッシングの支払いなどもその例です。
逆に一括払いを選択しているものに関しては対象になりません。
その他、保険の積み立てのなどの月々の支払いは、当然対象になりません。(むしろプラスの判断材料となります)
またこのローン計算は、申込者本人の支払い名義のみが対象となります。
ただ旦那さんのほかに奥様も連帯で債務を持つ場合などは、当然奥様名義のローンも響いてきます。
また、新規ではなく借り換えの際も同じように計算をするのですが、マンションにお住みの場合ですと、そのマンションに支払っている修繕積立金や管理費などもローン計算に含めなければならない銀行もあります。
その他ローンの申告について
ローンを申し込む際に、申込書に「現在お組のローン」という欄があります。
この数字がまさにローン計算の基準になるのですが、お客さんが書いたこの申告書の数字で審査が行われるわけではもちろんありません。
実際に銀行の方で申込者本人のローン状況を徹底的に調べ上げます。
つまりも仕込みの段階で少なめに申告する「虚偽」の数字を記載しても全く意味がありませんので、そこは注意しましょう。(逆に銀行の信用を失いかねません)
まとめ
現状を計算して頂いた中で、「返済比率がオーバーしている・・」という方も少なくないと思います。
ただこれに関しては、ある程度自分で計算をすることが出来るため、対策を練りやすいことも事実です。
例えば、「今払っている洗濯機の支払いが3ヶ月後に終わるから、それが終わってから審査に申し込むようにしよう」とか考えられるわけです。
正直一度審査に落ちてしまうと、次からの審査でやや厳しめにみられてしまう風潮はどうしてもあります。
まずはしっかりと自分の弱点を潰してから、初の審査に向け準備をするようにしましょう。