PERIMETRONの活動とその仕事ぶりは、今高く評価されつつあります。
最近ではミスチルのMVを手掛けたり、櫻坂46のジャケットアートワークを制作したりと、音楽業界のメジャー路線でもだんだんと仕事の依頼が増えてきています。
そんな現代の世に引っ張りだこであるPERIMETRONの仕事に対する方針や考え方は、一般の企業も取り入れたほうが良いべき点が多々あるのではないでしょうか。
今回はそんなPERIMETRONが、どのような思想のもとに活動をしているのかについて考察をしていきます。
PERIMETRONの仕事術
ここでは、会社という立ち位置ではなく、ひとつの集団としてここまでの功績を残しているPERIMETRONの仕事に対する姿勢やマインドに加え、仕事術に関してまとめていきます。
社会で活躍している一般の企業にも、取り入れたほうがよい点が発見できるかもしれませんよ。
①個を意識した少数精鋭主義
PERIMETRONの最大の特徴としてあげられるのは、圧倒的な「個の強さ」です。
メンバー一人ひとりが何がしかのスペシャリストであると同時に、その「個の力」が互いに行き交うことで「アート」という化学反応が起こります。
各々がソロでありリーダーであってPERIMETRONのメンバーであるというスタンスを大事にしている彼らなだけに、その関係性は常に同じ何かと戦ってる仲間という意識くなるのです。核となりイニシアチブをとる人物を1人決め、その周りに2,3人配置してすべてを共有すればそれで充分という意識が、仕事に対するスピード感にも影響してきます。
今の時代はSNSなどで「個」の発信がいくらでもできますが、ここぞという時により強いパワーを発揮する為には、このような少数精鋭的な個の集団が最適であるだと、プロデューサーの佐々木集さんは話しています。
②仕事の受注で重要視すること
仕事を受注する上で、最も大事なのは「金」か「作品」か。
メンバー全員の共通の価値観としては「目先の金よりも、創りたい作品を最大限のパワーで作る」ということを最優先にしています。クリエイター集団のPERIMETRONにとって、ひとつひとつの作品は半永久的に残り続けていくものになりますからね。当然といえば当然なのかもしれませんが、ビジネスを続けていくにはお金もやっぱり大事。そこの金額の采配の部分は、プロデューサーが管理しており、各々の状態と予算を見て決めているようです。
彼らは作りたいものに対し、ブレーキをかけながら作業することを良しとしません。今の段階でスピード感のない仕事をしてしまうと、これから年齢を重ねた後にさらに身動きが取れなくなってしまうことを理解しているから。
今は目の前のやりたい仕事に全力投球!「自分たちの仕事で、後でお金は必ずついてくるさ」くらいのイケイケの精神が必要ということですね。
③海外基準のクリエイティブを
メンバー全員が海外を常に意識した取り組みをしています。
日本だけでなく海外からも評価されるチームになっていくことを目標のひとつに掲げていることがその要因となっています。
その動きとして、例えば映像をインプットする際は、vimeoなどの海外の動画メディアやSNSでキャッチした情報を見ながらメンバーで共有することが多いそうです。
英語圏の動画をもとに「今伝えていくべきもの」や「海外と日本動画をどのように組み合わせたら面白いものが創れるだろうか」といったことを常に話し合い、考察をしています。
④仕事を受注するかどうかの基準
自分たちとは合わないような依頼主から仕事がまわって来た時はきっぱりと断っているようです。つまりは時間を切り売りした仕事はNGとしているということ。
それを決めているのは”今やりたいという欲”の熱さがどうなのかということが大事であると、プロデューサーの佐々木集さんは話しています。「今作ったほうがいいもの」や「今伝えるべき事」という感覚的な要素に対し、どれだけ従順にいけるか、どれだけの熱量で創作していくことができるか。その後のメリットなどに関してどれだけ熱くクライアントに説明できるか。そうしたことを重要視しています。
そして実際に仕事を受注する前の段階では、仕事を持ってきた人間がメンバーの前でまず必ずプレゼンをし、事前にその情報をきちんと共有した上で仕事に取り掛かるといった流れをとっています。
PERIMETRON vs 一般企業
ここまで解説をしてきたように、PERIMETRONの活動にとって必要不可欠な要素は「個の強さ」と「仕事に対する熱量」であることが分かります。ところが一般企業に勤めるサラリーマンにとってこの2つを意識している人はどれだけいるでしょうか。いや、そもそもこれを意識することができる環境を企業が整えていないだけかもしれません。
たとえば副業。
働き方改革が大々的に行われ、副業を解禁する企業がようやく少しずつ増えてきていますが、まだ「副業禁止」を掲げている企業は少なくありません。それは時間的にも金銭的にも本業がおろそかになってしまうことを恐れているから。
それに対して「個の成長」を強く意識をしているPERIMETRONは、「メンバー自身のプロジェクト」であったり「グループで取り組むべきカラーの仕事ではないな」というビジネスであれば個人でどんどん取り組むべきだとしています。
それによりPERIMETRONをわざわざ辞める必要はないし、個人が他の制作をすればするほど、その色がPERIMETRONにも落ちてくる。それが今後のグループの強烈な強さに繋がってくる。と考えているから。
多くの社員を抱えている企業に、少数精鋭集団のビジネスマインドをそのまま受け入れろというのは度台無理な話であるのかもしれませんが、プラスになりそうな要素は積極的に取り入れるべきであると感じます。
まとめ
今回はPERIMETRONの仕事に対するマインド的な部分を中心に取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか。
少数精鋭であるがゆえに、メンバー一人ひとりの個性や熱量が非常に大きなウエイトを占めてきます。そしてそれが「いい仕事をするチームである」と今世に評価され始めているのです。
これからの働き方として、世の中にこうしたチームが増えてきたら社会はどう変化していくのでしょう。一般企業も、真似できる部分はどんどん取り入れていく必要があるのかもしれませんね。