みなさんは美しく輝く宝石は好きでしょうか?
おそらく女性の方で「No!」という方はそうそういないと思います。
では、宝石のどの部分に一番魅力を感じるのでしょう。
そのまばゆい輝きでしょうか?
それとも宝石を身に着けているという優越感に対してでしょうか?
前者の「輝き」であると言う方。
その方は今の時代、ひょっとしたら『本物』をもつ必要はないのかもしれません。
ダイヤモンドの価値
宝石のまさに王者と称されるダイヤモンド。
「光の分散」からうまれるその輝きは、目にする人すべてを魅了してきました。
では一体、その価値とはどのように定められているのでしょうか。
国際基準である『4c』
G.I.Aと呼ばれる「米国宝石学会」という組織があります。
カットされたダイヤモンドは、その組織で定められた基準をもとにその価値を調べ上げられることになります。
その基準こそが『4c』とよばれるものなのです。
Carat | 重さ | 重ければ重いほど良 |
Cut | 研磨 | 形状と仕上げの具合 |
Color | 色 | 結晶格子の変形がない「無色」ほど良 |
Clarity | 透明度 | 透明度が高いほど良 |
頭文字「C」から始まるこの4つの要素がダイヤモンドの価値を決めます。
表を見ていただいて、左に行けば行くほど高い評価であるといえるわけです。
大きくて、ずっしりとして、透明で光り輝くものがいいとされているということですね。
恐らくみなさんが思われている通りの評価基準であると思います。
外国為替相場
もちろん為替の影響も大きくうけます。
ダイヤモンドはすべて輸入商品になりますからね。
円安が進めばダイヤモンドの価格は高くなり、円高になれば価格は安くなります。
同じ重さ、同じ輝きのダイヤモンドも、購入時期によって価格が変わってくるわけです。
「高額である」という意識
先にあげた2点はもちろんダイヤモンドの価値を計る上で大事な要素になります。
しかし、一番大事な要素はここにあると思います。
『ダイヤモンドは非常に高額な宝石だ』という共通の意識
結局はこの「高額である」という意識がダイヤモンドの価値を高めているのです。
ダイヤモンドは石油などと同じように、供給量を調整することでその原石相場が決められています。
裏を返せば、それを無視して採掘された分だけどんどん市場に回してしまえば、ダイヤモンドの価値は急落してしまうことに繋がるわけです。
その輝きに価値があるからこそ、世に出回りすぎることのないように守られているのです。
「ダイヤモンドは希少だ!高価だ!」
そんな意識がダイヤモンドの価値を高め、高額な市場価格をキープしているといえます。
第二のダイヤモンド「キュービックジルコニア」
「キュービックジルコニア」という石を聞いたことはありますか。
ダイヤモンドに非常に似たこの石、素人ではなかなかその区別がつかないかもしれません。
今この「キュービックジルコニア」がダイヤモンドの地位を脅かす存在になっているのです。
一体どんな石なのか?どんな魅力があるのか?
初めてその名前を聞いたという方のためにも、簡単に説明いたしましょう。
ダイヤモンドにも勝る「高い分散率」
実はこの石、モノによってはダイヤモンドよりも『高い分散率』をもつ秀逸な石なのです。
ダイヤモンドのうっとりするような輝きは「光の分散」によりうまれます。
それを上回る分散率を持つということになれば、ダイヤモンド以上の輝きを持った石ということになるのです。
グレードの低いダイヤモンドは、その結晶格子の変異により若干の色味がついていることがあります。
それに比べ、このキュービックジルコニアは無色透明の石のため、下手なダイヤモンドより輝きが強くなります。
ダイヤモンドに比べ「安価」
もうなんとなく分かってきた方もいると思うのでネタばらしをしますが、実はキュービックジルコニアは人工ダイヤなのです。
天然のダイヤモンドが「炭素」で構成されているの対し、キュービックジルコニアは「二酸化ジルコニウム」を中心に構成されています。
そのため、ダイヤモンドと比べると希少性がまったく違うのです。
変な話、「工場」で大量生産をすることだって可能です。
そのため市場に出回るダイヤモンドよりも価格が抑えられる当然で、その価格差はおおよそ
100~500倍もあると言われているのです。
ダイヤモンドの希少価値の危機
これまでダイヤモンドの希少価値を、市場を厳正に制御するダイヤ商人たちが保ってきたわけです。
しかし、ここに来て人工ダイヤの製造技術が急激に上がってきています。
「天然こそ本物。人工ダイヤなど所詮ニセモノだ!」
とは一概にいえない状況になってきているように思えます。
なぜなら「真珠」においても同じことがすでに起こっているからです。
カキの殻のなかに真珠の種を撒くような養殖方法が確立されて以来、それまで大変希少価値の低かった「天然真珠」の価値は急激に落下しました。
今では「天然なんかじゃなくて、養殖もので充分だわ」と考えているかたも多いのではないでしょうか。
これと同じことが、近い将来ダイヤモンドの世界で起きてくる可能性は大いにあるのです。
まとめ
安価で手に入りやすい「キュービックジルコニア」。
その美しい輝きはダイヤモンドに引けををとらないため、希少価値にこだわらない人にとっては、その欲求をみたしてくれるよきダイヤということになります。
友人へのプレゼントとしても最適であるといえるでしょう。
ただし、全てがすべてダイヤモンドを上回っているとはいえません。
例えば、愛するフィアンセへの結婚指輪に「キュービックジルコニア」を選びますか?
もちろん経済的な事情により選択する可能性はあるかもしれません。
ただ大抵の方が「ダイヤモンド」という宝石を選択するのではないでしょうか。
なぜならダイヤモンドのほうが明らかに『高額』なものだからです。
ダイヤモンドの価値は人間が思う「その希少性」と「高額だと思う心」この2点に集約されています。
一見表面上だと思えるこの2点こそが、現代のダイヤモンドの価値を極限まで高めているのです。
色々と意見が分かれるところではありますが、ダイヤモンドの市場の動向については、今後注意深くみていく必要がありそうですね。