藝大の出身者である山口つばささんが描く人気コミックの「ブルーピリオド」。
第一話では主人公の矢口矢虎がこれまで歩んでいた人生から、そのレールをはずれ“絵画という芸術”に魅せられるストーリーが描かれていました。
第二話ではまたさらに矢虎を芸術の世界へと誘う様々な出来事が起こります。
それでは、第二話のあらすじとネタバレ、感想なども交えまして紹介していきましょう!
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第1巻:2話「有意義な時間」 あらすじ(ネタバレあり)
「私の好きな風景」というお題の基、美術の時間に矢虎が描いた「青い渋谷の街」を見た美術部員のユカちゃん(鮎川龍二)は矢虎に「放課後手伝ってほしいことがある」とメールを入れます。
おっと、この「ユカちゃん」というのは皆さんもご存知、女性もうらやむ美貌の持ち主である女装男子です。
矢虎とはいつもいがみ合っているようですが、実は結構仲のよい二人なのです。
そのユカちゃんからのメールを最初は無視しようとしていた矢虎ですが、拉致に近い感じでユカちゃんに美術室へと連れ去られてしまいます。笑
しかしそこで、矢虎は美大受験の仕組みと藝大の高過ぎる難易度のリアルな話を、美術の先生と部長の森さんから聞かされるのです。
【東京藝術大学のリアルな話】
東京藝術大学の絵画科は日本一受験倍率が高い学科であること。
高校生が受かる倍率は実質60倍にも上るということ。
ある意味東大より難しい大学であるということ。
話を一通りしながら手伝いを済ませた後、先生から「矢口さんんも片付け終わったら描きましょうか」と促されますが、「描きませんよ」と矢虎は一蹴。
お絵描きって趣味でいいんじゃないの?
プロ目指さなくても
美大に行かなくても絵は描ける
ガチでやる意味ある?
ここではまだ矢虎の中では”絵”で生きていく覚悟まではできていないことが見受けられるわけです。
また何もしらない母親からも「頼むからちゃんとしたとこ(大学)はいってね」といわれる始末。
ただ・・!
やはり絵のことが頭から離れない矢虎は、授業中もその風景をノートにデッサンしています。
そんな矢虎の様子を見た不良仲間は、みんな矢虎のことを「よかったじゃねえか」とこっそり喜びます。
この不良仲間、実はみーんないい人間なんですよw
そして仲間と将来のことを話しながらも、絵のことが頭から離れない矢虎はこう思うのです。
ノルマをクリアする感覚で何とかやっているけど勉強は苦しいよ
でも苦しいほうが人より高くとべるだろ・・だから
楽しいなんて 怠慢だ
そして家に帰ってからもなんとなく絵を描きながら「こんなのは時間の無駄なんだ」と思うわけですが、そこには意味知れぬ充実感を矢虎は感じるのです。
後日再び美術部を訪問した矢虎は、自分の描いた絵を先生に見せてアドバイスを仰ぎます。
そこで教えられたのはデッサンの基本である“遠近法”、そして情熱を持って描かれた“作品の意義”でした。
そして矢虎は先生にこう質問をするのです。
絵って趣味じゃダメですか?
食べていける保証がないのなら 美大に行くメリットはなんですか?
そしてその問いに、美術の先生は優しくハッキリと答えます。
「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ。
好きなことをする努力家はね 最強なんです!
この核心をついた先生の言葉に、矢虎の迷いは完全に吹っ飛びました。
今一番大好きな”絵”で生きていきたい!そんな気持ちで矢虎の気持ちは高揚します。
そして矢虎は美術部への入部、そして美術の大学を目指す覚悟を決めたのです。
矢虎の藝大への道が遂に動き出してきた、そんな第二話の話でした!
第三話では、矢虎の美術部でのお勉強がスタートします!しかし色々と課題が山積み・・のようですw
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第1巻/2話「有意義な時間」:感想とみどころ
遂に矢口矢虎の迷いが吹っ切れ、絵に真剣に取り組んでいくことになりましたね。
矢虎は成績も優秀で、早稲田・慶應あたりであれば余裕であると、友達のユカちゃんもストーリー上話しています。
そんな矢虎ですから、すっかりお母さんも「それなりの大学に入ってくれるだろう」と安心していたでしょうね。
それが全く畑のちがう「藝術の道」を歩むことにしたわけですから・・これからの展開がイチ読者としては少し心配ですw
私ごとながら4年生の大学を出て就職をせずに「音楽の道でいくわ!」と親に話したときのことを思いだしました。笑
なかなか現実は厳しいものでしたがね・・だからその分矢虎にはがんばってほしいな~と思うわけですよ。
こうした漫画の登場人物に自分を映し出すって結構あることです。
もちろん漫画に限らず、歌の歌詞にしてもそうですが、その世界とそれを体感している人との“共感度の強さ”がヒット作の大きなファクターになります。
そのため自分に置き換えてストーリーを楽しめるこの「ブルーピリオド」は、私の中でも「大ヒット作」になっているわけです。
それはそうと物語に登場する美術の先生!
いまだに名前が公開されていないのですが、そうしたところがまた山口つばささんの上手いところ。
今回も矢虎に向かって多くの名言を残す主要人物である先生だけに、名前を伏せたそのミステリアス度は高まるばかりです!
「好きなもの」を真剣に学ぶ。
それはもはやその道で生きていくこと(生計を立てていくこと)となんら変わりがありません。
矢虎は散々悩んだ末に、今までのステータスを捨てて”絵”という新しい学びへと挑戦していくことにしました。
ただこれを現代の若者に当てはめるとかなりシビアなリアルが待っています。
「好きだからこれで生きていこう」という軽いニュアンスで恐らく立ち向かっても恐らく失敗するわけです。
あくまで「どこまでその好きなことに真剣になれるか」そこが重要なファクターになります。
中途半端な気持ちであれば、最初からカッコつけてそんな道を選ぶべきではないのです。
・・とかいってしまうと、矢虎の美術の先生に怒られてしまいそうですが、でもそれもまた現実のリアル。
気持ちの強さで自分の運命を変えられるかどうかが決まってくるというわけですね。
今の矢虎の気持ちはもはや雲をつき抜け宇宙まで到達するレベル!
これからのがんばりに期待しましょう~。
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まとめ
ブルーピリオドの第二話にて、大きく矢虎の気持ちは動き出しました。
他の受験生に比べ、美大へいく決心をするにはもちろん大きく遅れをとっているわけですがそこをどう埋められるか。
読者の皆さんで矢虎を応援して、藝大の合格へと導いていってあげましょ~。
第二話は、矢虎にとって「有意義な時間」となりました!
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